いわきび、森の明るみへ

四国の片隅から働き方や住まい方を再考しています。人生の時間比率は自分仕様に!

生存の技法

老後の下地をつくる

今年97歳になる父方の祖母は、昨年春に祖父を亡くしてから持ち家に一人で暮らしている。数年前から急速に足腰が弱ってはきたものの、市内にする叔母が毎日訪ねて朝食を買い届け、服薬管理をし、また週末は私の両親がおかずを作り届け、どうにか一人で過ごせ…

何月何日であろうと

とうとう通勤路のそば屋に「年越しそばご予約承ります」の看板が出た。最近朝が遅くなりがちで自転車をすっ飛ばして職場へ急ぐのだがそんな朝に「ああ来たか…」と胸に迫るものがある。 先が見えない人間にとって暦は想像以上に心身を追い詰める。世の中には…

広場があること

夏過ぎから、退勤後には中心街の広場を通って帰るようになった。敷地の隅には美術館も図書館もある公共の広場だ。地元は城下町で、お城のふもとに廻らされたお堀と森に囲まれて、散歩やジョギング、運動にはげむ人たちが毎日行き交っている。 新コロ対策で室…

わが机上自由なりき

11月は暖かな日が続き、月半ばには夏日に近い気温の日さえあった。おかげで職場の事務所外の作業―それも水仕事付きの身体を使うチームワーク―も、水が気持ち良いくらいの気候で順調に終えることができた。 何度も書いているが、私は手や体を使うタスクも他人…

もっと明かりを

街中はすっかり晩秋の風景を呈しつつある。この時期美しいのは冷気に浸された紅葉で「霜葉は二月の花よりも紅なり」(杜牧「山行」)に深く首肯する。日が短くなると同時に心細さも増す季節に心身が求めるのは赤や黄金や橙の暖色だ。白い薄野に沈む半熟卵の…

匿名の心地よさ

職場で現場行きや屋外作業、チームワークが増えたこの三か月ほど、自分がいかに田舎暮らしに不向きかを痛感させられている。車の運転テク、肉体労働、他人との共同作業、濃密な人間関係、集団行動、適度な声がけ、他人と雑談することが苦にならずその間合い…

言葉はたんなる潤滑油か

人間関係において「言葉は潤滑油」という考え方がある。一言二言のたわいない会話でも人と人をつなぐコミュニケーション円滑化の手段となるらしい。たしかに日常生活のなかであいさつや声がけによって共同作業がスムーズにやれることは多々ある。しかし言葉…

老後は1世代

この半年ですっかり家にいる時間が長くなった両親を見ていて思う。どんな立場の人でも「老後をどう過ごしたいか」はあるていど意識し、できれば言語化できるようにしておくのが望ましい。少なくとも仕事を定年退職したからといって、社会に対する責任が全く…

ダブルケア時代の子育て懸念

自転車通勤の帰り道、市街地の大型スーパー付近を通ることがある。ちょうど退勤ラッシュであり、買い物に勤しむ人も多く、子どもを連れて帰路につく人もたくさんいる。そんな人混みを自転車で進んでいくと、いくつか気づくことがある。 学校や学童の子どもを…

無条件の信頼

屋外はすっかり人が戻った。市中すぐ横を流れる河川敷付近には小さなテニスコートやグランドがあり、スポーツ練習に興じる人も多い。遊具をそろえたスペースもあって、そこは多くの家族連れが集まっている。小さな子どもはもちろん、犬もいる。 よく晴れた初…

風の抜ける場所

外出自粛が緩和されたからというわけでもないが、夕方の仕事帰りに自転車で散歩するのが目下私の楽しみとなっている。 コースは職場から自宅付近までは直帰して、さらに東南方向へ迂回するエリアが気に入っている。どちらかというと温泉街付近にかかるのだが…

裾野は層を圧し上げる

少し前に、仏検が存続の危機に直面しているというニュースを知った。【緊急】「仏検」存続のためのご寄付のお願い | 仏検のAPEF/公益財団法人フランス語教育振興協会 やはりCOVID-19の影響で試験の開催中止による大幅な事業収入減が影響している。が、この…

食を考える映画たち~amazon、Netflixにて視聴可~

STAY HOMEで自炊にハマったり日々の食事を見つめ直すことになった方も多いかもしれない。そこで、COVID-19がどうなろうと続いていく日常の食について再考する情報を与えてくれる映画を紹介する。 2004年公開の「スパーサイズ・ミー」 Amazon.co.jp: スーパー…

そこに不在を感じるから

COVID-19感染対策の一環で、仕事や学業をはじめ生活においてオンラインによる交信はいまや不可欠となった。youtubeなどの動画配信、ZOOMやSkypeといった映像の同時通信、メールなどテキスト通信等、タイプはいろいろだが一つ留意が必要だと考えている。 それ…

シームレスであること

埃というのは凹凸のあるところに溜まる。表面がデコボコで段差のある平面は汚れやすい。清潔を保つにはしょっちゅう気に留めて掃除しないといけない。 この凹凸はモノが増えるとおのずとできやすい。またタスクをたくさん抱えた状態でもそうなりやすい。とり…

新型コロナがただす他者との距離

「新しい生活様式」が発表されてしばらく経つ。あれを「生徒手帳みたい」という巧みなたとえがツイッターに投稿されていて、じつにその通りだと思う。 あそこに列挙された項目を全部実践するのは難しいだろうが、ソーシャル・ディスタンシング(Social Dista…

住まいは命の器である

コロナ危機に対応する支援のひとつに、住居確保給付金がある。以下「厚生労働省 生活を支える支援のご案内」より。 drive.google.com もともとはリーマンショック時の失業者支援から始まったものだが、今回それが改正されて4月30日からはハローワークへの求…

わが手に、わが台所に

足のケガで旅行に行けなかった昨年の夏、頻繁にアクセスしたのが日本から海外へ移住した方々のSNSだった。わけても印象的だったのは、7年前にご夫婦でタイ・バンコクへ移住した方のブログサイトで、街の様子や生活様式のちがい、夫婦のやりとりなどが漫画と…

精神的なことは物理的なこと

寒風のなかで飲むコーンスープは美味しい。 月・金は19時まで開いているハローワークを出て、自販機で買った缶入りコーンスープを外で開けて飲んだのが先々週の月曜夜である。 実は、12月の職場面談で、雇用契約の期限を入職当初書面で提示した最大4年までと…

地の利と行動力

このブログではもう何回も書いていると思うが、いま住んでいる地元は県外とくに四国外とのアクセスが非常に難しい。決して僻地ではなく、暮らすぶんには地方都市の中ではまずまず便利なほうなのだが、四国外へ出るときはいわば遠征プラン、メイン行動の予定…

名前のつかない困難

足指骨折後20日目にして、添え木を外すことができた。まだ完治はしていないので飛んだら跳ねたり自転車に乗ったりはできない。モーラステープを使用したので1ヶ月は患部を日光に当てないよう注意だ。 嬉しかったのは、入浴で患部を濡らす許可をもらったこと…

<ふつう>にかかるコストについて

足指を骨折して2週間が経つ。その間大変だったのは身の回りのケアである。 仕事は内勤なので職場へ着いてしまいさえすれば業務ができる。階段を上がって部屋に入り、自席のキャスター付き椅子に座り、デスクトップPCの電源を入れ、そこから一日が始まる。重…

足指骨折からのQOL再考

先週金曜、誤って右足薬指を骨折してしまった。職場の飲み会へ向かう途中、路面電車を降りようとしてステップから転げ落ちたのだ。蒸し暑い雨の夜で、傘を持ちスカートにサンダルという慣れない服装、足場の悪い車内、これまで服にお金をかけられずサンダル…

時短レシピと家事担当者の主体回復

SNSでつくり置きレシピのアカウントをよく眺める。そのうちお一方はよく見ると、常備菜を作って数回分の食事をしのぐというより 時短調理のレシピを積極的に発信していらっしゃる。めんつゆや電子レンジの活用、火の通りやすいor味のなじみやすい食材の切り…

協働作業の動線

先月半ばから休日出勤して戸外でイベント対応や、職場倉庫に眠る図書の移動と、仕事では身体を使う作業が続いている。貧血治療の甲斐あって代休なしでも疲労で体調を崩すことなくやれているが、自分はつくづく現場作業&チームワークに不向きだと痛感する。手…

気まぐれと絆しのはざまで

上の写真は、連休初日に訪れた山陽の街中にあるバス停で撮った藤の花である。晩春とはとても思えない寒さの中、昼過ぎに高速バスを降りてから外を歩く行楽はもう中止して夕方までずっと宿にいた。これはその宿へ向かう途中にふと視界に入って惹きつけられて…

紙片の効用

今の私には自分でコントロールできることがわりと少ない。地元の地方都市で、両親と実家暮らし、かつチームワークの多い仕事となると、自分の選択や決定、采配で動ける余地などたかが知れている。 そのことが、かつてどれだけ自分を苛んだか。 台所もだいた…

「家族≠セーフティーネット」の時代

日本家族をとりまく状況はそれはもう厳しい。家事、育児、養育、看護、介護といった全てのケアワーク、労働者の再生産、地域社会運営など市場原理以外の活動が個々の家庭へ一気に押し寄せている。 そして、そのコストを国家サイドが全然意識してない。企業も…

つくおき考

作り置きおかずが人気だ。一時期流行って、おそらくいまも書店にはレシピ本が専用コーナーに置かれている。 あれは、おかずそのものの美味しさよりも時短や家事の合理化、もっと言えば自分や家族の食をマネジメントしているという全能感を味わうためのジャン…

コンビニカフェを使う理由

このひと月ほど、退勤後まっすぐ休憩に向かう場所がある。自転車で30分以上かかるコンビニに併設されたカフェ。コンビニも最近イートインコーナーを設ける店舗が増えているが、ここはとくにスペースが広く屋外席もある。写真はその一隅。 工場の並ぶ職場付近…