いわきび、森の明るみへ

四国の片隅から働き方や住まい方を再考しています。人生の時間比率は自分仕様に!

家事を問いなおす

乳牛と労働者~『家族を想うとき』にみるケアのゆくえ

longride.jp ケン・ローチ監督『家族を想うとき』(原題 Sorry Missed You)は、グローバル資本主義下に台頭したギグ・エコノミーの労働問題と、不安定雇用に揺さぶられる家族のゆくえが中心的論点とされてきた。物語は不安定な生活から脱してマイホームの購…

名前のつかない役割

母の勤める飲食店が休業になってもう1ヶ月半がたつ。突然ぽっかりと現れた空き時間の初期に、母が着手したのは自分の衣類の断捨離だった。 同じ法人が運営する複数店舗の飲食店へ勤務している母は、平時なら毎日2店舗の配食と食材発注をこなしている。しか…

マイナスをゼロにする

外出自粛や在宅勤務、または自宅待機で家にいる時間が増えた人も多いだろう。そんな中、家事の何が辛く、煩わしいのかに気づいた人もいるはずだ。 「籠城生活も楽しい」と言える人はたいてい自分の時間が増えたか、自分の裁量で時間の使い方を決められる人だ…

わが手に、わが台所に

足のケガで旅行に行けなかった昨年の夏、頻繁にアクセスしたのが日本から海外へ移住した方々のSNSだった。わけても印象的だったのは、7年前にご夫婦でタイ・バンコクへ移住した方のブログサイトで、街の様子や生活様式のちがい、夫婦のやりとりなどが漫画と…

DIYの起点

前に書いた、新しく農業を始める方が近況を話してくれる。 最近進めているのは家のリフォームだそう。これから住むのは数年間空き家として放置されていた物件で傷みも激しく、あちこち修理しないと使えない。ホームセンターで道具を買ってきて、床板の張り替…

時短レシピと家事担当者の主体回復

SNSでつくり置きレシピのアカウントをよく眺める。そのうちお一方はよく見ると、常備菜を作って数回分の食事をしのぐというより 時短調理のレシピを積極的に発信していらっしゃる。めんつゆや電子レンジの活用、火の通りやすいor味のなじみやすい食材の切り…

「家族≠セーフティーネット」の時代

日本家族をとりまく状況はそれはもう厳しい。家事、育児、養育、看護、介護といった全てのケアワーク、労働者の再生産、地域社会運営など市場原理以外の活動が個々の家庭へ一気に押し寄せている。 そして、そのコストを国家サイドが全然意識してない。企業も…

つくおき考

作り置きおかずが人気だ。一時期流行って、おそらくいまも書店にはレシピ本が専用コーナーに置かれている。 あれは、おかずそのものの美味しさよりも時短や家事の合理化、もっと言えば自分や家族の食をマネジメントしているという全能感を味わうためのジャン…