いわきび、森の明るみへ

四国の片隅から働き方や住まい方を再考しています。人生の時間比率は自分仕様に!

流れがあること


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祝福を。毎日新たな生活に向けてじたばた奮闘中のいわきびです。

今日は午後から街へ。まず昼食をと、いわゆるオフィス街の裏手に外観の小洒落た定食屋があったので入ってみた。中身はこの辺の働く人を相手にした食堂でした。初めてで勝手がわからずキョロキョロするいわきびの視界には煙草をふかしながら同僚の下馬評に興じる男性客が。丼やカレーメニューの札がかかったカウンターの両脇にサラダや漬物の小鉢、魚の切身の皿、オートブル寄せ集めのワンプレートがあって、ああここから御菜を取っておカネを払うのかと理解した。
数分後。いわきびは窓際のカウンター席でご飯と肉じゃがの小鉢をつつきました。味噌汁も欲しかったがレジ番の人が間髪入れず会計を言い渡したので迷う暇がなかった。数席先の男性客はワンプレートランチをガラケー片手に瞬く間に平らげ、すぐ後ろの席では背広姿のおとなしそうなおじさんが慣れたしぐさでご飯、味噌汁、サラダ、卵焼きを順序よく口へ運ぶ。奥の四人がけテーブルでは別のおじさんが新聞を広げている。
昔からある店なのだろうか。その付近じたいが古くからある個人商店が残る界隈なので、この区画は昔からある、この街本来の時間と雰囲気をたたえているのだ。この食堂を出てその道が駅前に面する角に立つと、じつはベストアングルでお城が見える。写真はまた
上手く撮れた時に。柳は芽ぶきを控え、堀の周囲は桜がわずかにほころんでいる。

駅で高速バスの切符を買い、その足で職探しに。万一地元を出遅れた時の保険にこちらの求人もチェックしておく必要がある。

が、その賃金というのがやっぱりこっちだと安い。都会で働いてる人が聞いたら吹き出すか何かするだろう。で、もっと笑えるのがそんな仕事でも、今の職場より時給が良いこと(笑)。

建物を出て駅裏を歩く。狭い路地に踏切と駐輪場やこれも古いアパートや商店が並ぶ。墓地の巡りを水路が走り、それに面した民家の庭は苔の中に紅白の梅を数本抱く。この勢いよい流れがあるから、付近はよどまない。かろうじて走る水路はほとりの青草や畑を生かす。

思えば地元で煮詰まりやすいのは、そこが妙に自己完結しているからではなかろうか。コンパクトで、半径何キロの世界に一通りのモノが揃い、ゆったり過ぎる時間と変わらない生活リズム、変化しなくても生きられる温さと保守性がある。
そういう所で、場の一部に溶けることを拒んで切り裂く流れをいつも作ること。それはどこに住んでもきっと、自分という置き換えのきかない存在として生きていく姿勢を持つなら、自然と形成される何かなのでしょう。世界への埋没でなく、世界と共に在るために。

写真は街中にある病院前の桜。ここは毎年2月に花を咲かせることで有名です。いま、新たな職や所属を探す全ての方々へ「桜咲く」が訪れますように。