いわきび、森の明るみへ

四国の片隅から働き方や住まい方を再考しています。人生の時間比率は自分仕様に!

意図せずして

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祝福を。
いわきびは決して地元LOVE!の人間ではない。すくなくとも今まではそうだった。でも、ブログを開いて見てくれる方に、少しでも地元の好さを届けよう、と眼を凝らすようになった。

写真は中心街の地酒と土産のお店。二階の窓が、レトロでしょう?この街では本当に意図せず、わざと趣向を凝らしたのではない光景に思わず眼を惹かれる。

けっきょく、生活の成せるわざなのだと思う。意図して切り取り魅せようとする視線から取りこぼされる何かが地元にはあって、気づく人、映し取る人、発信する人のタイミングが合わないのか、上手く流れに乗せられない光景があって、発信者と読者の微妙な時期の一致で巷に行き渡るだけのことだ。

風景は決して切り取る者だけの裁量で決まるのではない。受けとる側の視線や心身の領域にも関わる。もし、この恵まれた風土にある自然の秩序に、実際に存在するあらゆる事物
や生命が寸分も違わず一致するならば。誰も、何かを書いたり描いたりしようと思わなくなるだろう。それは、何の齟齬も軋みも無い、調和に満ちた世界かもしれない。そう思わせる風景が地元にはたくさんある。

それゆえ地元は怖い、と私は思う。けれど、近代より前の人々が理想としたのはそういう世界であったかもしれない。そして現代を生きる人々が、みずからをとりまく環境への無条件の信頼を求めているならば、ここで随所に見られる光景や丁寧な暮らしの所産は、どこかで理に適う姿なのだろう。