いわきび、森の明るみへ

四国の片隅から働き方や住まい方を再考しています。人生の時間比率は自分仕様に!

もっと明かりを

街中はすっかり晩秋の風景を呈しつつある。この時期美しいのは冷気に浸された紅葉で「霜葉は二月の花よりも紅なり」(杜牧「山行」)に深く首肯する。日が短くなると同時に心細さも増す季節に心身が求めるのは赤や黄金や橙の暖色だ。白い薄野に沈む半熟卵の…

匿名の心地よさ

職場で現場行きや屋外作業、チームワークが増えたこの三か月ほど、自分がいかに田舎暮らしに不向きかを痛感させられている。車の運転テク、肉体労働、他人との共同作業、濃密な人間関係、集団行動、適度な声がけ、他人と雑談することが苦にならずその間合い…

言葉はたんなる潤滑油か

人間関係において「言葉は潤滑油」という考え方がある。一言二言のたわいない会話でも人と人をつなぐコミュニケーション円滑化の手段となるらしい。たしかに日常生活のなかであいさつや声がけによって共同作業がスムーズにやれることは多々ある。しかし言葉…

老後は1世代

この半年ですっかり家にいる時間が長くなった両親を見ていて思う。どんな立場の人でも「老後をどう過ごしたいか」はあるていど意識し、できれば言語化できるようにしておくのが望ましい。少なくとも仕事を定年退職したからといって、社会に対する責任が全く…

ダブルケア時代の子育て懸念

自転車通勤の帰り道、市街地の大型スーパー付近を通ることがある。ちょうど退勤ラッシュであり、買い物に勤しむ人も多く、子どもを連れて帰路につく人もたくさんいる。そんな人混みを自転車で進んでいくと、いくつか気づくことがある。 学校や学童の子どもを…

無条件の信頼

屋外はすっかり人が戻った。市中すぐ横を流れる河川敷付近には小さなテニスコートやグランドがあり、スポーツ練習に興じる人も多い。遊具をそろえたスペースもあって、そこは多くの家族連れが集まっている。小さな子どもはもちろん、犬もいる。 よく晴れた初…

風の抜ける場所

外出自粛が緩和されたからというわけでもないが、夕方の仕事帰りに自転車で散歩するのが目下私の楽しみとなっている。 コースは職場から自宅付近までは直帰して、さらに東南方向へ迂回するエリアが気に入っている。どちらかというと温泉街付近にかかるのだが…

裾野は層を圧し上げる

少し前に、仏検が存続の危機に直面しているというニュースを知った。【緊急】「仏検」存続のためのご寄付のお願い | 仏検のAPEF/公益財団法人フランス語教育振興協会 やはりCOVID-19の影響で試験の開催中止による大幅な事業収入減が影響している。が、この…

食を考える映画たち~amazon、Netflixにて視聴可~

STAY HOMEで自炊にハマったり日々の食事を見つめ直すことになった方も多いかもしれない。そこで、COVID-19がどうなろうと続いていく日常の食について再考する情報を与えてくれる映画を紹介する。 2004年公開の「スパーサイズ・ミー」 Amazon.co.jp: スーパー…

そこに不在を感じるから

COVID-19感染対策の一環で、仕事や学業をはじめ生活においてオンラインによる交信はいまや不可欠となった。youtubeなどの動画配信、ZOOMやSkypeといった映像の同時通信、メールなどテキスト通信等、タイプはいろいろだが一つ留意が必要だと考えている。 それ…

シームレスであること

埃というのは凹凸のあるところに溜まる。表面がデコボコで段差のある平面は汚れやすい。清潔を保つにはしょっちゅう気に留めて掃除しないといけない。 この凹凸はモノが増えるとおのずとできやすい。またタスクをたくさん抱えた状態でもそうなりやすい。とり…

名前のつかない役割

母の勤める飲食店が休業になってもう1ヶ月半がたつ。突然ぽっかりと現れた空き時間の初期に、母が着手したのは自分の衣類の断捨離だった。 同じ法人が運営する複数店舗の飲食店へ勤務している母は、平時なら毎日2店舗の配食と食材発注をこなしている。しか…

新型コロナがただす他者との距離

「新しい生活様式」が発表されてしばらく経つ。あれを「生徒手帳みたい」という巧みなたとえがツイッターに投稿されていて、じつにその通りだと思う。 あそこに列挙された項目を全部実践するのは難しいだろうが、ソーシャル・ディスタンシング(Social Dista…

住まいは命の器である

コロナ危機に対応する支援のひとつに、住居確保給付金がある。以下「厚生労働省 生活を支える支援のご案内」より。 drive.google.com もともとはリーマンショック時の失業者支援から始まったものだが、今回それが改正されて4月30日からはハローワークへの求…

ユニクロチラシに嫉妬した話

コロナ拡大を防ぐために自粛していた経済活動も、地域によっては徐々に緩和の兆しがある。ただし、在宅勤務を続けられる会社は続け、すべての店は引き続き三密を避け、何をするにせよ人を大勢集めることは当分させない方針だ。 この在宅勤務、大都市圏では2…

自己完結の館

新型コロナウイルスを封じ込めるためにロックダウンしていた都市が、徐々に封鎖を解き始めた。日本とちがい、罰則や罰金を伴う厳しい外出規制が緩和され外へ出られた人たちの喜びはひとしおだろう。 しかしたとえ封じ込めに成功した国でも、コロナ感染拡大前…

憩いの朝はいつか

ダイニングの窓には隣家の若葉が揺れる。イタドリかな?と思ったがよく見ると丈の低いクルミの木にも似ており、よくわからない。休日の朝、晩春の緑を眺めながら朝食をとっていると、ふと昔よく行ったホテルバイキングの風景を思い出した。 地元では23日から…

それぞれの仕事状況

もらった誕生カードを机に並べて返信の言葉を探す。誕生日ということで家族が用意してくれた特別ディナーの後に自室へ引き揚げた木曜夜のことだ。 思いがけずありつけた夕食は、街中のカフェレストランが始めたテイクアウトのセットで、ふだんはフレンチ総菜…

渦中で創り出すもの

SNSには連日怖い(が、その通りだと認めざるを得ない)指摘が飛び交っている。ネガティブな感情に呑まれるのを防ぐため、ログインはせずに、こういう時まともな呟きを出していそうなアカウントをいくつか検索してTLから情報を追う。 コロナ危機においても「…

やる気のともし火

新年度が始まった。あいにく朝から酷い雨で、時間ギリギリで乗れた路面電車の中からマスクで表情が隠れるのを良いことに胸中で悪態をつく。 勤務はあと1年ある。契約期間は半年ごとに更新する。とはいえコロナ感染状況いかんではいまやどの職種業種も雇用不…

マイナスをゼロにする

外出自粛や在宅勤務、または自宅待機で家にいる時間が増えた人も多いだろう。そんな中、家事の何が辛く、煩わしいのかに気づいた人もいるはずだ。 「籠城生活も楽しい」と言える人はたいてい自分の時間が増えたか、自分の裁量で時間の使い方を決められる人だ…

新型コロナウイルスの解説動画

covid-19とはどんなウイルスか、どのように感染するのか、発症のしくみ、急速なパンデミックが医療にもたらすダメージ、パンデミックを緩やかにするためにすべきこと、が丁寧に示されています。 「コロナウイルスとは何か&あなたは何をすべきか」 https://m.…

コロナ近況

一昨日からようやく、ドラッグストアに並ぶ長蛇の列を見かけなくなった。通勤路の途中にある大規模ドラッグストアの入り口には「本日3/12(木)はマスクの入荷はありません」と書かれた看板が立っている。あれほど大騒ぎしたトイレ紙やティッシュは徐々に棚…

そこに人が集うなら

母方の祖母が他界して2年半が経つ。 祖母が住んでいた家は今空き家だが、近くに住む叔母が庭や部屋の掃除を頻繁にしている。生前のこまめな手入れのせいか古いわりに内装はきれいで、法事をそこで行うこともあって電気・ガス・水道も通してある。ただ、経費…

わが手に、わが台所に

足のケガで旅行に行けなかった昨年の夏、頻繁にアクセスしたのが日本から海外へ移住した方々のSNSだった。わけても印象的だったのは、7年前にご夫婦でタイ・バンコクへ移住した方のブログサイトで、街の様子や生活様式のちがい、夫婦のやりとりなどが漫画と…

DIYの起点

前に書いた、新しく農業を始める方が近況を話してくれる。 最近進めているのは家のリフォームだそう。これから住むのは数年間空き家として放置されていた物件で傷みも激しく、あちこち修理しないと使えない。ホームセンターで道具を買ってきて、床板の張り替…

非正規雇用は潜在的失業者である

今月に入ってから何度かハローワークを訪れている。求人応募先への紹介状を出してもらうためだ。応募したい事業所の求人にいくつかあった不明点をハローワークを通して確認してもらい、応募してよいか事業所から許可をもらわないと紹介状を発行できないとい…

それぞれのセカンドキャリア

年度末につき、周囲では人員の出入りが知らされ始めた。現職でも家族の職場でもとりわけ印象深いのは、定年退職の手前で早期退職し、かねてから暖めてきた第二のステージを歩みだす人たちだ。 一人は、若い頃からの夢だった農業を山間部の一軒家で始めるそう…

精神的なことは物理的なこと

寒風のなかで飲むコーンスープは美味しい。 月・金は19時まで開いているハローワークを出て、自販機で買った缶入りコーンスープを外で開けて飲んだのが先々週の月曜夜である。 実は、12月の職場面談で、雇用契約の期限を入職当初書面で提示した最大4年までと…

街の動脈を歩く

先週明けから、落ち着いていたはずの右足指がにわかに痛み出した。整形外科でのレントゲン撮影からは、骨折患部は7割方くっついているため添え木の必要はなく、湿布をしてもらう。 おそらく自転車再開と屋外作業に伴う動きすぎ、軽い飲酒によって痛みの閾値…