いわきび、森の明るみへ

四国の片隅から働き方や住まい方を再考しています。人生の時間比率は自分仕様に!

いわきび、最近の朝ごはん

朝が辛い季節も徐々に陽射し明るく、日が長くなってきた。とはいえまだ明け方は寒く、布団から出るのに気合いが要る。出勤が必要な仕事に就いている人たちはこの時期朝の支度をどう乗り越えているのだろうか。もちろん自分一人の支度だけして出ればよい人と…

新年、無事を願う

このたび能登半島地震で被災された方々に心からお見舞い申し上げます。一日も早い復旧・復興を心よりお祈りいたします。 年末から風邪をひき、体調が優れないまま年を越した。29日から微熱と悪寒、鼻水が続き、解熱剤と漢方薬で家にこもりながら大晦日も過ご…

人は殖え続けることが善なのか

私の居住地だけかもしれないが、バイトやパートに「ここまで要求するの⁉︎」という求人がとても多い。そういう所に限って「この賃金で⁉︎」である。 求められる責任や態度はフルタイムか、あるいは正規雇用者と同等に近い。つまり期間労働者としての賃金や待遇…

真夏を生きる橙色のみなさん

今夏の暑さは厳しい。国内だけでなく世界的にこれまでない暑さらしい。 そんななか鮮やかに目を惹いた橙色たちを撮ってみた。 水路沿いのランタナ。 枯れ木に絡みつき咲くノウゼンカズラ。繁った葉も艶やかでみずみずしい。下にはノブドウのつるも巻きついて…

予感と気配

盛夏だが、傾きかけた陽射しは少しずつ赤味が射して見える。7月の、青葉が一気に硬く黒々と繁り出す勢いとは違って、8月も立秋を迎えると折り返し地点とでも言うべきところを過ぎようとしているらしい。 小川沿いの柿の木が青い実をつけている。 満開のサル…

愛しのサルスベリ

いよいよ夏本番が近づいてきた。戸外で目を奪われる植物たちも盛夏の佇まいを見せる。ムクゲ、ヒメヒオウギズイセン、ルリマツリ、ササユリ、ランタナ…。 なかでも今年はサルスベリがいっそう鮮やかで美しい。私はサルスベリが好きだ。どの季節の姿も躍動感…

身体と試行錯誤

SNSで、小学校低学年の子たちがプール授業の前の着替えで、パンツを履いたまま水着を着てしまったという投稿を見た。 これに対して一方には「今の子はこんなこともできないのか」という口調があり、他方には「いや子どもたちはこの3年間、コロナ禍で集団生活…

トイレに見る治安

地元にはそこそこ幅をきかせているスーパーがある。 今度イオンと統合が決まり、さて商品ラインナップやサービスがどう変わるやらと、最近はごくたまにしか利用しないため他人事みたいに遠巻きに眺めてきた。 先日、市内でいちばん大規模なその店舗で生活防…

コロナ禍、忘れてはいけないこと

インフルエンザの蔓延で学級閉鎖や学年閉鎖が相次いでいるらしい。 当然だろうと思う。 季節外れなのになんで…?と首をひねる向きもあるが、コロナ禍の約3年間学校や人の集まる場ではマスク着用と手洗い、換気、間隔空けがほぼ徹底されていたのを一気に緩め…

連休を彩った緑色のみなさん

GWはとくに県外へ出ることもなく、地元でのんびり過ごしました。 日に日に新緑は濃くなり、もう少ししたら黒々とした繁りを見せるはずです。 夕方近くになると自転車で散歩に出かけ、だんだん長くなる日没まで賑わいや草木の彩りを楽しむのです。 温泉街付近…

ひばりの鳴くとき

晴れた午後、机で読書しているとひばりの声が聞こえる。 机に向かっても何となく集中できなくて倦怠感に包まれかけたとき、突如その音が上がるのだ。 気怠さと疲弊と閉塞感のなかに埋没しかけ、世間の常識や日常の決まりごと、漠然と将来に対して抱く行き詰…

紙の本という特権

電子書籍も進化して普及が進み、いまや新書はほぼ電子媒体で読んでいる。 パソコンから、タブレットから、あるいはちょっと画面が小さいがスマホからでも読める。 ボリュームの少ない新書はもちろんエッセイ集や小説も、電子書籍版は余白を活かして読み易く…

明日のコーヒーもきっと

サントリーが出しているボトルコーヒー・クラフトボスの450mlがお気に入りで、仕事中はつねにそばに置き、自宅の机の上でいまもよく飲んでいる。 最近あれはカフェイン含有量がすさまじいという投稿をSNSで見かけたので、本当は飲むのを見直すべきなのだろう…

さよならロールパン

遅く起きた休日の食卓でバターロールを口に含む。外は穏やかで、平日の職場の殺伐とした忙しさとは別世界だ。一袋に5個入りで百円強のロールパン。プレーン以外にも種類があって、私はいつもマーガリン入りの分を買っていた。残業の御供だったからだ。当初は…

明日はまだ誰も

このブログで何度か書いている父方の祖母は、実は今年で100歳を迎える。これまで記してきた歳は私の計算違いだった。聞けば祖母は大正12年生まれらしく、ならば今年で一世紀分生きたことになる。この祖母を思い出すにつけ、考えさせられることが沢山ある。高…

時間を忘れる

現在の仕事はとにかく〆切に追いまくられる生活で、そのために残業や休日出勤して間に合わせたり、明確な〆切の無いものは後回しで積もりに積もってどうしようコレと今月や来月を脅かす一因になっている。 そんな日々を過ごしていると、「余暇時間」にとにか…

体調不良の基準

2023年5月から、新型コロナウイルスの感染症法上の分類が2類から5類へ変更されることになった。これに伴い、公的な感染対策は緩和される。市中感染はこれまで以上に増えるだろう。また発熱外来中心ではなく一般の医療機関でも患者を受け付けるとなれば、感染…

ぬるま湯の時間のなかで

日曜の夕方は小雨でも傘を差して散歩に出る。残業や休日出勤に追われる生活をしていると、休日の終わりに何かわずかでも仕事とは無関係な、否何らかの「用事」ではない時間を意識して持たないととめどなく仕事や世間の常識に吞み込まれ包まれて潰されてしま…

災害と嗜好品

休日にふと思いついてトーストにバターを塗って食べたらとても美味しかった。パンもバターも昨年から値上がりし、どの食料品も買うとき一瞬の迷いが生じる。それでも美味しいものの力は凄い。生活の満足度が違う。食パンにはちょっとした思い出がある。東日…

ダブルケア時代の選択

今年97歳になる父方の祖母が施設へ入所して7ヶ月になる。足腰は歳相応に弱ったものの、口達者で認知症などはなかった祖母は、毎朝夕に車で30分弱のところに住む娘(私にとっては叔母)に食事等の世話に来てもらいながら長く自分の家で一人暮らしをしていた。…

逆行する時間を生きる―『港町』に交差する生と死―

もう7年ほど空家となった隣家の庭は今夏も勢いよく緑に包まれた。ムクゲが咲き、夏草が茂り、今はそれも終わって真ん中に生えたレモンの木は黄色い実をつけている。誰も獲らないこのレモンは、たしか昨年も3~4月頃にその数か月前から果実をたわわに実らせた…

「同じ」子は二度といない

少し前だが、生命科学もここまで来たかと思うニュースが出た。globe.asahi.comwww.nishinippon.co.jp クローン技術によって死んだペットの複製を願う依頼が増えているという。この技術がより安価でたやすくアクセス可能になったら、あの世のペットを蘇らせた…

シュトレンの季節に

クリスマスがやってきた。SNSではシュトレンの画像がたくさん出回っている。アドベントを迎えてから毎朝一切れずつ食べていく慣習の、ドイツのクリスマス菓子である。 この数年で洋菓子店でもよく見かけるようになった。シュトレンを見ると、子ども時代のク…

老後の下地をつくる

今年97歳になる父方の祖母は、昨年春に祖父を亡くしてから持ち家に一人で暮らしている。数年前から急速に足腰が弱ってはきたものの、市内にする叔母が毎日訪ねて朝食を買い届け、服薬管理をし、また週末は私の両親がおかずを作り届け、どうにか一人で過ごせ…

コロナ禍と職業差別

2020年に話題にのぼった本にデヴィッド・グレーバー『ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論』(岩波書店)がある。 ブルシット・ジョブ――クソどうでもいい仕事の理論 | デヴィッド・グレーバー, 酒井 隆史, 芳賀 達彦, 森田 和樹 |本 | 通販 | Am…

乳牛と労働者~『家族を想うとき』にみるケアのゆくえ

longride.jp ケン・ローチ監督『家族を想うとき』(原題 Sorry Missed You)は、グローバル資本主義下に台頭したギグ・エコノミーの労働問題と、不安定雇用に揺さぶられる家族のゆくえが中心的論点とされてきた。物語は不安定な生活から脱してマイホームの購…

何月何日であろうと

とうとう通勤路のそば屋に「年越しそばご予約承ります」の看板が出た。最近朝が遅くなりがちで自転車をすっ飛ばして職場へ急ぐのだがそんな朝に「ああ来たか…」と胸に迫るものがある。 先が見えない人間にとって暦は想像以上に心身を追い詰める。世の中には…

文化的アクセスのインフラだったEテレ

菅首相のブレーン・高橋洋一氏がNHK改革案としてEテレの売却を提案した。news.yahoo.co.jp 当然ながらこの案には抗議の声がネット上あちこちで上がっている。幼い子どもに良い番組を提供してくれて育児中お世話になった、一斉休校でいち早く学童向け教育番組…

広場があること

夏過ぎから、退勤後には中心街の広場を通って帰るようになった。敷地の隅には美術館も図書館もある公共の広場だ。地元は城下町で、お城のふもとに廻らされたお堀と森に囲まれて、散歩やジョギング、運動にはげむ人たちが毎日行き交っている。 新コロ対策で室…

わが机上自由なりき

11月は暖かな日が続き、月半ばには夏日に近い気温の日さえあった。おかげで職場の事務所外の作業―それも水仕事付きの身体を使うチームワーク―も、水が気持ち良いくらいの気候で順調に終えることができた。 何度も書いているが、私は手や体を使うタスクも他人…