いわきび、森の明るみへ

四国の片隅から働き方や住まい方を変えたく奮闘中。既定路線から降りても研究と執筆を開花させるには?人生の時間比率は自分仕様に!

気まぐれと絆しのはざまで

上の写真は、連休初日に訪れた山陽の街中にあるバス停で撮った藤の花である。晩春とはとても思えない寒さの中、昼過ぎに高速バスを降りてから外を歩く行楽はもう中止して夕方までずっと宿にいた。これはその宿へ向かう途中にふと視界に入って惹きつけられて…

前田正子『無子高齢化ー出生数ゼロの恐怖』から言えること

人口減少、人手不足、少子化、高齢化、若者の貧困化、日本国全体の貧困化—。これらが一つの糸で結ばれるのが本書である。 これらの問題は近年頻繁に論じられるようになったものの、それぞれ個別に語られることが多く、まして若者支援や国内労働市場における…

下り坂の時間

私には年上の友人が多い。大学院は社会人と留学生ばかりだったし、そこを出て働き始めた時も世間で言う新卒採用の年齢で就職したわけではなかったので、同年齢の同期というのが存在しなかった。 もちろん歳の近い同僚は前職にも現職にもいる。が、彼/彼女ら…

紙片の効用

今の私には自分でコントロールできることがわりと少ない。地元の地方都市で、両親と実家暮らし、かつチームワークの多い仕事となると、自分の選択や決定、采配で動ける余地などたかが知れている。 そのことが、かつてどれだけ自分を苛んだか。 台所もだいた…

家はたんなるハコモノじゃない

人が住まなくなった家というのはこんなに早く荒れ果てるものなのか。自宅周囲も空き家が目立つようになった。未曾有の少子高齢化で、空き家問題は今後ますます全国各地で拍車がかかることが予測されている。一方、マンションや戸建ては供給過多の風潮もある…

一つの癖

同居の父はたまに細かいくだらない家事のことで小言を垂れるのだが、最近落ち着いて暇ができたせいだろう。再雇用を経て完全に定年退職したのは四年前、その時から母方祖母の介護や父方祖父の入院&介護泊り込み→施設入居、父方祖母の家の片付け・通院など家…

服と収入と立ち位置と

かなり高額の買い物をしてしまった。来週末、久々に学生時代の同期や先輩、先生と会う機会があり、聞けばかなり盛大な集まりらしく、会場も温泉街の旅館にある大きなホールらしい。もう16年ぶりに顔を合わせる人びととお世話になった先生にせめて失礼がない…

「家族≠セーフティーネット」の時代

日本家族をとりまく状況はそれはもう厳しい。家事、育児、養育、看護、介護といった全てのケアワーク、労働者の再生産、地域社会運営など市場原理以外の活動が個々の家庭へ一気に押し寄せている。 そして、そのコストを国家サイドが全然意識してない。企業も…

広い通りに立つ時

母校の正門前の歩道が、昨年工事が入って秋頃から拡張された。いざ整備された歩道を見ると何とも清々しい気分で、なんで今まで昨年まで放置されていたのか、出来るならもっと早くやってくれればという気持ちになる。 何しろこのエリア、市内の文京区でありな…

大学のない街で

日曜は家族と母の郷里へ出かけてきた。メインは浜辺近くの神社での梅見だったが、途中で施設に居る父方祖父との面会、地元工芸品の店で買い物、母方祖父母の墓参りを経てある中華料理屋で昼食に。そこで考えたことを少し。 店は街中の官庁街に面した通りの少…

つくおき考

作り置きおかずが人気だ。一時期流行って、おそらくいまも書店にはレシピ本が専用コーナーに置かれている。 あれは、おかずそのものの美味しさよりも時短や家事の合理化、もっと言えば自分や家族の食をマネジメントしているという全能感を味わうためのジャン…

あり得たかもしれない未来

年が明けた。現職はカレンダー通りの勤務で私の仕事始めは4日からだった。が、休みを取った人も多い。すぐまた土日が控えているのだから遠方へ帰省した人はまとまった時間が欲しいだろうし、世間でも本格稼働開始は7日からのところが多かったようだ。 7日の…

就職と引き換えに

外国からの移民受入を拡大する法案が通過した。で、ネットでは人道的・経済的観点からあまりに拙速な通し方について反対が次々と噴出している。中でも深い絶望に裏付けられた批判はいわゆるロスジェネ世代(就職氷河期世代)からの怒りだ。じつにもっともだ…

ヤマが動くとき

先月は大きな変化があった。 一つは奨学金の完済。 もう一つは祖母の他界。 前者は長く背負った経済的重荷が吹き飛び、後者は長い介護の終わりから両親とくに母に時間ができたことを意味する。パート先が夏休み時短中なせいもあって、彼女はせっせと断捨離に…

アメリカという大きな家ー想田和弘編集『ザ・ビッグハウス』に寄せてー

http://thebighouse-movie.com ミシガン大学アナーバー校が所有し、同大学のアメリカンフットボールチーム「ウルヴァリンズ」の本拠地である巨大なスタジアム。その通称ビッグ・ハウスを題に冠したこのドキュメンタリーには「アメリカ国家の縮図」を描いたと…

コンビニカフェを使う理由

このひと月ほど、退勤後まっすぐ休憩に向かう場所がある。自転車で30分以上かかるコンビニに併設されたカフェ。コンビニも最近イートインコーナーを設ける店舗が増えているが、ここはとくにスペースが広く屋外席もある。写真はその一隅。 工場の並ぶ職場付近…

「空室あります」の向こうに

帰り道はなるべく、生垣や軒にみずみずしい植物の活況がみられる道を選んで通っている。工業団地の趣が強い通勤先エリアとは異なる佇まいをゆっくり味わいたいからだ。 地元を出たい、離れたいと思いながらも自宅周辺を含む、山辺へ連なる一帯を私は好きで、…

舞台がはねたあとに

祝福を。 昨日は県内へ日帰りで遠出してきた。お目当ては芝居小屋での観劇。列車が山間部へ入ると一気に時間の流れが変わる。特急車内の窓から海と、田植えが済んだばかりの水田に反射する光に目を細めた次の瞬間、新緑と渓流の輝く山間へ移るのだ。 駅から…

役割を生きる

人間、社会の中で生きていれば、日々何らかの役割を負ってその日を回している。働いていれば勤務先での担当業務があり、一次産業従事者であれば日ごと季節ごとに生き物の世話があり、家では家事が待っている。介護や育児を担う人ならケアラーや親としての振…

脈うつ時間が戻るとき

隣家のムクゲのつぼみが膨らみ、昨日咲いた。わが家の食堂から夏を感じる。 お隣は空き家だ。四年前、高齢で一人暮らしをしていたおばさんが亡くなった。以来誰も住むことなく、週末ごとに入れ替わり立ち代わり親族の方やシルバー人材センターの人が来て、家…

アクセシビリティのさまざま

ある人が相対的に他の人より資源を多く所有していたとしても、それは必ずしも自由や力を有すること、豊かさ、社会的アドバンテージを意味しない。 所有する資源、財ーたとえば金銭、食料、土地、電子機器類などーを多く持っていても、その人が自分の意思で使…

人並みの波間から

祝福を。 ほんとうに祝福を受けているような空と陽射しの続く地元である。この好き街から「ちょっと」県外へ、四国の外へと出かけることの難しさ、コストの高さにここ二週間ほど暗澹たる気持ちでいる。 先週末は大変だった。土曜午後から何となく具合が悪か…

自分仕様の休日

久々に県外へ行ってきた。本当はGWに行きたかったのだがまたしても風邪をひき、体調が悪くてとても遠出する気にはなれなかった。 この日帰り旅行というのがじつは思いのほか時間のロスが多い。何度か書いているように地元は交通アクセスが不便でとくに海を渡…

この手にあるはずの未来

祝福を。 久々の更新です。今回はちょっとした覚書のようなものを。 例の奨学金返済があと数ヶ月で完済の見込みがついたので、今の心境を書きます。 約7年半、正確には2年前から私は本格的に繰上返還を繰り返して、返済残額をひたすら減らしてきた。 当初は…

生存戦略なかば

祝福を。 相変わらず地元暮らしがしんどくて胸中グダグダのいわきびです。 それは、この街が悪いのではない。 それは、自分が悪いわけでもない。 ひとえに自分の求めるものと、地元の特色や提供してくれるものが噛み合わないだけである。 コンパクトシティと…

私の眺望点

祝福を。 四国内の他県では平野部でも積雪があるのに地元には(少なくとも私が住んでいる街中では)なかった。寒波のなか、ぶじマラソン大会を終えたようです。 つくづく街中は災害や厳しい気候とはかけ離れた地なのだなと思う。諸事情でチャリ通を続けてい…

人手不足時代の労働観

祝福を。やっと2月を迎え、陽射しや空の色が変化をとても楽しみにしている。通勤路に見える景色も少しずつ違ってくるはずだ。 仕事は何とか続けている。ぎこちなく、不十分ながら平日陽のある間は労働者をやっている。それは良いのだが、最近この労働観につ…

裾野の広げ方

祝福を。 毎日早起きして段取りも確認し、さあこれでいけるだろうと思って臨む朝イチに、考えられないような勘違いやミスをすることが数日続いている。自己分析すると、要はチームワーク、身体を使う作業(といっても内勤なのでつまりは自分の机以外の場所で…

わが手でその暮らしを

職場は朝が早い。始業時刻は前職と同じなのだが、皆現場を経験している人なので、その仕様に合わせてか慣習か、7時頃には必ず誰かがいる。チームの上司も例外でなく、私が着く頃にはもう一服してくつろいでいるか、机上の仕事を始めている。 外勤となれば早…

近況

祝福を。 いつの間にか冬が来て年が明けた。先月下旬からの絶賛風邪ひきも治って、三ヶ日は市外の祖父母宅を訪ねる。真冬になお彩りのある山道や畑、海岸線を見て、瀬戸内の良さはこういう穏やかさだな、と改めて思う。 以下の写真は先月の山道。熟柿と山茶…